まえがき

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籠の中の鳥は、産まれた時から籠の中の鳥だった。 いつかあの青い空の頂まで飛べるのだと、疑うことなく信じていた。 鳥は粟を啄んだ。 世界一美味しいご飯だと思った。 鳥は鉢植えの木を見た。 世界一大きな木だと思った。 鳥は飼い主の手に触れた。 羽毛の生えていないつるつるした手は、世界一気持ちと思った。
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