序章:光

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『んぎゃあ~!! んぎゃあ~!!』 ある国の城の一室。 一つの命が誕生した。 『おぉ… 御生まれになられた… 我が国の光が。』 『ほんに、元気なお声じゃ。 将来が楽しみよのぉ。』 泣き叫ぶ赤子の声。 それを待ちわびたかのように人々は嬉々とした顔をしている。 『我が国の光…ねぇ。』 だが、一人、思案顔をした者がいた。 その者は屋根の上、胡座をかき喜ぶ人々を見つめ、呟くのだった。 『本当に光なら、この国を…いや、アレを何とかできるかねぇ。』 そんな呟きも知らず城の中…いや、国中が喜びに包まれた。 光の誕生を祝して… .
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