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「お焼香って、どうすればいいの?」
前にいた葉月が、不安を圧し殺した声をだした。
一直線に連なった列の間から、ちらほらと人が振り返る。
もうすぐ、わたしたちの番だった。
「わたしのところでは、一回お香をつかんで、手をあわせるけど」
「……それだけ?」
葉月はあからさまに眉間を寄せた。
ごつごつとオプションをつければ丁寧になるというのは錯覚だ、とわたしは思う。
「わたしの流派では、そうだって話よ。ここではどうか知らないけど……」
「郷に入れば郷に従えって言うじゃない」
「郷がわからないんだから、従いようがないでしょ」
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