episode1

69/74
前へ
/153ページ
次へ
「それはいくら何でもないと思うけど」 陸が笑った。 「正直さ、女に言い寄られるのは慣れてるから別にいいんだよ」 美里も笑いながら頷く。 「陸がモテるのは今に始まった事じゃないしね」 「まぁ…ぶっちゃけそうだな」 陸はソファーに深くもたれ掛かると、片手で美里を抱き寄せて言った。 「ただ単に言い寄られるだけならいいけど、いちいち過去の事を蒸し返されるのは嫌なんだよ。今の会社にいたら、結局それが付き纏うだろ?」 「だから、リセットしたいの?」 「そういう事」 美里に軽く口づけてから、陸は言葉を続けた。 「俺らのいきさつを知らない会社で、スッキリした気分で仕事したいんだよ」
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2463人が本棚に入れています
本棚に追加