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「それはいくら何でもないと思うけど」
陸が笑った。
「正直さ、女に言い寄られるのは慣れてるから別にいいんだよ」
美里も笑いながら頷く。
「陸がモテるのは今に始まった事じゃないしね」
「まぁ…ぶっちゃけそうだな」
陸はソファーに深くもたれ掛かると、片手で美里を抱き寄せて言った。
「ただ単に言い寄られるだけならいいけど、いちいち過去の事を蒸し返されるのは嫌なんだよ。今の会社にいたら、結局それが付き纏うだろ?」
「だから、リセットしたいの?」
「そういう事」
美里に軽く口づけてから、陸は言葉を続けた。
「俺らのいきさつを知らない会社で、スッキリした気分で仕事したいんだよ」
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