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再び陸に問われた美里が、俯いて口ごもる。
「ごめんなさい…まだ上手く話せない」
「そうか…」
陸が頷いた。
「話したくなったら話せばいいよ」
「うん…本当にごめんなさい」
「謝る必要はないって。余程の事なんだって分かるから。それに、どうするか決めるのは美里なんだしな」
そう言いながらも、陸は若干の寂しさを感じた。
当然の事だが、いつも陸は、美里の仕事に関して一切口出しをしない。
美里の立場を考えれば当たり前の事だからだ。
しかし、そこまで美里が悩み、考えている事を陸は知らなかったのだ。
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