episode 2

4/52
前へ
/153ページ
次へ
「そりゃそうでしょうね」 啓太が頷いた。 「…しかし、香川社長が退任するとはなぁ」 「さすがに私も驚いたわ」 「ですよねぇ」 啓太がもう一番頷く。 「色々と考えたんだが、社長を退任しようと思う」 香川からそう話があったのは二ヶ月前の事だ。 九州にいる父親の具合が悪く、長男である自分が帰郷してその面倒を診る為だと言う。 「親父も小さいながら会社をやってるしな、そこを継がなければならないんだ」 「そんな…この会社はどうなるんですか?」 「お前が社長になれよ」 香川は事もなげに言った。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2463人が本棚に入れています
本棚に追加