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「そりゃそうでしょうね」
啓太が頷いた。
「…しかし、香川社長が退任するとはなぁ」
「さすがに私も驚いたわ」
「ですよねぇ」
啓太がもう一番頷く。
「色々と考えたんだが、社長を退任しようと思う」
香川からそう話があったのは二ヶ月前の事だ。
九州にいる父親の具合が悪く、長男である自分が帰郷してその面倒を診る為だと言う。
「親父も小さいながら会社をやってるしな、そこを継がなければならないんだ」
「そんな…この会社はどうなるんですか?」
「お前が社長になれよ」
香川は事もなげに言った。
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