episode 2

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「さすが、よくご存知で」 香川が冗談めいて言ったが、美里は笑わなかった。 「で、誰なんです?なんか言いにくそうですけど、ひょっとして、私があまりよく思ってない人物ですか?」 「まいったな、それもお見通しか」 「長年一緒に仕事してますからね。社長の性格は理解してます」 「確かに…」 軽く頷いた後、香川は意を決してある人物の名前を口にした。 「…本気ですか?」 「ああ、美里がこの話を受けないなら、その人に会社を受け渡すつもりだ」 「冗談でしょ。あの人が社長になったら、今いる社員のほとんどが辞めますよ?」 「…お前もか?」 「ええ、おそらくそうなるでしょうね」
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