episode 2

9/52
前へ
/153ページ
次へ
今まで独立系としてやってきたのに、グループ会社の一社になる事に抵抗を示す社員も多いだろう。 しかも、その社長は相当ワンマンで強引なタイプなのである。 手段を選ばない手法が、美里はどうしても好きになれないのだ。 「だったら、やっぱり美里さんが社長になるしかないんじゃないですか?」 「それは嫌」 美里の即答ぶりに、啓太が思わず苦笑いをする。 「美里さんも我が儘ですね。香川社長のこと言えないや」 「我が儘で言ってるんじゃないわよ。人には向き不向きがあるから言ってるの」 「俺にはそうは聞こえませんね」 「…じゃあどう聞こえるのよ?」 美里が唇を尖らせて言った。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2463人が本棚に入れています
本棚に追加