2463人が本棚に入れています
本棚に追加
「陸がいるから社長にはなれない…そう聞こえます」
「何よ、それ」
眉間にシワを寄せて、美里は啓太に詰め寄った。
「あんまり馬鹿な事を言うと怒るわよ?私が、仕事と陸の事を一緒くたにされるのを嫌うの、知ってるでしょう?」
「怒るわよって…もう怒ってるじゃないですか」
身を乗り出している美里を両手で制しながら、啓太が笑う。
「啓太がくだらない事を言うからでしょ」
「くだらなくはないですよ。美里さんにとっては、陸が一番大事でしょ。正直、会社よりも大切なんじゃないですか?」
「だから、それとこれとは話が違うわよ」
「違わないですよ。美里さんは一人しかいないんだから、大事っていうキャパも一個しかないんです」
最初のコメントを投稿しよう!