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「また小難しい屁理屈を言って…」
「屁理屈じゃないですって」
啓太は目の前にある皿を指差して言った。
「つまり、この皿のように美里さんのキャパは一個だって意味です。一つの皿に色々と料理を乗せる時、バランスとか考えるじゃないですか。メインが大きければ、サイドメニューは少なくしなきゃ乗らないでしょ?両方を山盛りにしたら、こぼれちゃうわけです」
「メインが陸だって言いたいわけ?」
「そういう事です」
啓太が続ける。
「それは決して悪い事じゃなくて、当たり前の事なんですよ。これからの人生を、共に歩いていくのは会社じゃなくて陸なんですから」
「言わんとする事は分かるけど…なんか釈然としないわね」
今だ不機嫌そうに、美里が顔をしかめた。
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