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「それにしても陸は遅いですね」
啓太が腕時計を見て言った。
「もうそろそろ来ると思うわ。さっき“今、会社を出た”ってメールが来たから」
「へぇ、結構忙しいんですね」
「頑張ってるからね」
笑顔でそう言う美里を通り越して、啓太が後方に視線を投げかけた。
「本当だ。来ましたよ、ほら」
啓太が大きく右手を挙げる。
「おーい、陸。ここだ、ここ」
「あ、啓太さん!」
陸が軽く小走りで二人の側に近寄った。
「お久しぶりです」
「おー、久しぶり。元気そうだな」
「はい、お蔭様で。啓太さんも元気そうですね」
「もちろんだよ」
美里の隣に腰を降ろす陸に、メニューを差し出しながら啓太が言った。
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