episode 2

15/52
2462人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
「それにしても陸は遅いですね」 啓太が腕時計を見て言った。 「もうそろそろ来ると思うわ。さっき“今、会社を出た”ってメールが来たから」 「へぇ、結構忙しいんですね」 「頑張ってるからね」 笑顔でそう言う美里を通り越して、啓太が後方に視線を投げかけた。 「本当だ。来ましたよ、ほら」 啓太が大きく右手を挙げる。 「おーい、陸。ここだ、ここ」 「あ、啓太さん!」 陸が軽く小走りで二人の側に近寄った。 「お久しぶりです」 「おー、久しぶり。元気そうだな」 「はい、お蔭様で。啓太さんも元気そうですね」 「もちろんだよ」 美里の隣に腰を降ろす陸に、メニューを差し出しながら啓太が言った。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!