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「あれ、陸。お前、目が悪かったっけ?」
黒い縁の眼鏡を掛けている陸に、啓太が不思議そうに尋ねた。
「ああ、これですか。伊達です」
陸が眼鏡を外して、目頭を指で押さえる。
「俺、年齢より下に見られる事があるんで…。眼鏡をしてれば、少し落ち着いて見えるかなって思って」
「イケメンならではの悩みだな、そりゃ」
啓太が笑った。
「本当はヒゲも伸ばしたいんですけど、営業なんで止めてます」
「ん?陸がいるのはアパレル業界だろ?別に構わないんじゃないの?」
「いやいや、メーカーなんで、さすがにマズイです」
「そっか」
啓太が納得したように頷いた。
「…私は、見た目なんて関係ないと思うんだけどな」
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