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長沢先生が帰ってきたみたいだ。
『すみません。ちょっと、席を外させて頂きます。』
私は、重い空気の中カウンセリングルームの扉を開けた。
『おぉ。宮谷ちゃん久しぶり。お土産買ってきたよ!』
おどけてチョコレートの包みを振っている長沢先生の笑顔に、安堵したのが腰が抜け近くにあったソファーに倒れこんでしまった。
『ちょっと、大丈夫?また貧血なの?』
『もう…私、限界で…。看護師なのに…。』
自分の看護師に対するプライドと情けなさで少し涙ぐんでしまった。
『何があったの?泣いてちゃ分かんないから話してくれない?』
優しく諭す長沢先生に今までの事を話した。
『アレだね…。』
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