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アスタルシア 東城門前
1人の女性が、城門の前で仁王立ちしていた。
若干19歳ながら、並みの男以上に鍛えられ引き締まった肢体を持ち、女ながら可愛いというより綺麗な顔立ちは凄まじい眼力を一層強める。
近づき難い………そんな気迫をもって彼女は本来の任務である門番の仕事を遂行していた。
彼女の名はシルビア・トリニティータ。アスタルシアの王騎士団に所属する戦士である。
彼女は今、至極感情が昂ぶっている。なぜなら…………
決して、門番としての役割を果たそうと意気込んでいる訳ではなく…………
「私は………何故女にうまれてしまったのだぁぁ!!」
ただの自己嫌悪であった。
理由は聞いての通り。
「この胸…………邪魔で仕方ない!」
彼女は体格に恵まれていた。いや、恵まれすぎていた。
身長は男並みか、それ以上。肩幅は男顔負け。
引き締まった腰や脚線はそこらの女なんぞ相手にならない。
当然………女性の象徴、胸にも表れていた。
「く…………常に真下を見れないこの屈辱………私が男なら………」
嘆いてもこればっかりは仕方がない。
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