プロローグ 正しい勇者様の凱旋のしかた

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「大体この鎧…………狙ってやってるとしか思えないぞ!」 アスタルシアの正規鎧。 男ならフルアーマー。 しかし、女性専用は元来防御より機動力を重視するため極力装甲を薄く、それでいて関節の動きを妨げないために各所の装甲を無くした結果………… まさにビキニアーマー。 「私が昇格して管理職になったら…………絶対にこんな鎧廃止してやるわ。」 静かに己の心に秘める野望をたぎらせる中、不意に肩を叩かれる。 「おう、シルビア。お疲れさん。交代だってよ。」 「……………もう交代ですか?」 門の内側から現れた上司らしき男に不思議そうな目を向けるシルビア。 「なんかよ、今日は『任命式』っつー滅多にないイベントがあるらしくってな。お前、こういう式典にゃ慣れてねーだろ? 陛下が直々に名指しで出席命令だしたんだぜ。ほら、早く行ってこい。」 「了解しました。」 そういうとシルビアは踵をかえし、城へと戻っていった。 まさかこの後、彼女の人生を大きく狂わせる人物に会う羽目になるとも知らず…………
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