プロローグ 正しい勇者様の凱旋のしかた

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謁見の間 「勇者様の、おなぁn……おなぁりぃぃぃぃ!!!」 城に戻るなり、いきなり急かされ王座謁見の間に整列させられた私。 たったいまとんでもない間違い、というか噛んだ大臣は別として………勇者?  聞いた事はある。 なんでもある使命をもって生まれてきた者であり、世界規模でも数人しかいない。 その者は特別な修行を積み重ね、人間を遥かに超越した力を持つという。 ギィィィ……… 大きな扉が開かれ、向こうから1人の男が謁見の間に入ってくる。 「おぉ、来てくれたか勇者殿!」 その男は、玉座にふんぞり返りながら語り掛けるこのアナスタシアの王に跪き、一礼する。 「は…………私のような一旅人に魔王討伐のチャンスを与えてくださり誠にありがとうございます。」  なんか………こう、飄々とした喋り方に疑問が沸く。 第一印象は…………なんて覇気がないんだ。勇者ともなれば近寄りがたい雰囲気があってもいいのに。
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