プロローグ 正しい勇者様の凱旋のしかた

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「お主のような存在は各国の指揮にも影響があるからのう。誠にありがたい!」 下手に出たと分かるなりいきなり態度が豹変する現国王。 そんな態度で接して勇者の機嫌損ねたらどうするつもりだろうか。 本当に勇者ならば貴方の首くらい直ぐに切り離せられるだろうに。 ここまで辛口なのは私自身、現国王に対しての忠誠心は皆無だからだ。私が忠誠を誓ったのは前国王だけだ。 と、その馬鹿現国………失礼、現国王が勇者に相変わらず偉そうに語り掛ける。 「魔王を討伐した暁には、勇者殿の望む物をなんでも手配しようではないか! そして永遠に語り継がれる殿堂に名前を列ねるだろう!」 私はその時、その言葉を聞いた勇者の目が光ったのを見てしまった。 「ならば陛下、先に魔王討伐による褒美の要求を申し上げてよろしいですか?」
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