夏の始まり

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夏の始まり

夏の始まりは私にとってもサッカー部の部員達にとっても勝負の時期だった. そう夏季大会があるからである. 久間高校サッカー部は代々一人は国体選手に選ばれてるくらいのチームでユースチームにはいっている人も少なからずいるいわゆる名門とよばれる.サッカー部であった. 私はその中でもよしととは幼なじみで,小学,中学と同じ学校であった. よしとはたけると仲がよく.二人のポジションはフォワードで久間高校のサッカー部のフォーメションは4-5-1であったためどちらかがでれないことで二人はよきライバルでもあった. 夏を迎えたグラウンドはまるで他の部員達から私を隔離するかのように.水分のない砂埃がまっていた.それが現実におきないようにと願っている自分に気がついたのはそのさきのことである. 練習がおわり私はいつもよしとと二人で帰っていた 部員達には恋人同士なんだと勿論いわれてはいたが私はそんな気持ちはなかったし むしろホントによき友と感じていた.それはよしとも同じだった. 学校帰りの並木道にはせみの声がうっすらきこえはじめていた 『今日休み時間岩村先生におこられてね-ホントいみわかんないんだよあの先生』 『おまえどうせまた占いの本でもよんでたんだろ 』 『えっ?ばれた?』 私は男の中にいてもやはり女の心はわすれまいと占いだけははずさないのだ笑 『おまえいつもよんでっから目つけられてんだよ!』 たしかに私は目をつけられていたが先生もそれをみつけるのがうまかった. 『そういや小学生ん時から高校までいっしょだったろ?』 『そうだね』 『それってすごいと思わねぇ??』 よしとは思い出をかたるかのように話だした 『そう?でも私は楽しいかったよ,よしと一緒だったから…だからサッカーが好きになれたし』 私がサッカーを好きになったのは幼なじみのよしとが発端だったのだ. あれは小学生三年の頃私は一輪車に夢中でメリーゴーランド,などの技に磨きをかけるように頑張っていた頃 校庭であそんでいたよしと達のサッカーボールが頭にぶつかった ぶつかった当初はよしと達がサッカーなんかしなければこんなことにならなかったのにと思っていたが ふと気付くと私は休み時間に一輪車にものらず階段にすわりよしと達のサッカーをみているようになった, サッカーとの出会いはよしととの出会いでもあった その時もせみがなきはじめた夏の始めであった.
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