WE GOTTA POWER的ななにか

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少年役で声優になれそうな、ちょっと低めの女の声だ。 『だ、誰だ!?』 なんて口にしたけれど。 この展開は、あれだよな。 『そう。君の予想通り、話し掛けているのは今放り投げた弓だ』 あーやっぱりね。 …………。 い、いやいや!やっぱりね、じゃねーよ!! 驚いた!怖い怖い!! 『夢の様だろうが現実よ。信じられないか? 大丈夫、君の頭の中は空っぽではないか』 いきなり出て来て失礼な事を言う奴がいる!! 『頭が空っぽの方が、夢を詰め込める。 実際君は、私が喋っていると言ったら疑いもしなかった。 その頭上の穴ですら、それほど真剣には考えていなかったのではないか?』 ぐぬぬ……確かに。 それに、テレパシーって奴か!?耳じゃなくて直接心に声が聞こえる? 言葉にしなくても思った事が一瞬で伝わる様だ。 『もうへっちゃらだろう? とりあえず投げたりしないで、手に取ってくれたまえ』 言われた通り、コンクリートに刺さったその弓をよいしょと引き抜く。相当固いんだな。 え、えーと…… 『うむ、そうだな。 とりあえず順を追って説明するとしよう。 まず、君の頭の上の穴について』 えっ?これが何なのか知ってるのか!? 『それはそうだろう。 私はそこから出て来たのだから。 それは……』
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