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『おはよー浜谷』
『あ、おはよ』
通学路だから当然だけど、知ってる奴が何人も通り過ぎる。
でもみんな普通にスルーしやがる。
ガチでマジで誰にも見えてないんだな。
俺の頭上、見上げた先にある物。
曇り空より濃いトーンの、黒に近いグレーの……
直径15センチくらいの。
穴。
wwwあwwwなwww?
何度見ても、俺の頭上約30センチくらいの所にしっかりと固定されてる。
普通は頭の上なんて見る機会、ないじゃん?
それに最初はぼんやりした感じだったし。
それが今ははっきりとわかる。頭の上に穴がある。穴って下に掘る物じゃないのかよ?
とうとう頭がおかしくなったとか、目の病気とかじゃないと思う。
(いっそ、その方が納得できそうだけど)
手を突っ込んでみようともしたけど。
……なんか……何かがいる様な……気が……うわあああ……!
まあそんな訳で。穴を確認してため息をついたら、俺は横断歩道を渡る。
最笑もいつも通りでいてくれるだろ。
あいつのめちゃくちゃな明るさなら、ヘッチャラの花を咲かせて気分を紛らわしてくれるはず。
『おはよう!最笑……え?』
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