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シーーーーーーン……。
く、空気が重い……誰も喋ってない。
むしろ喋ってはいけないみたいな?
とりあえず席に着いて、隣にそっと話し掛けてみる。
『おーい、陸奥?』
紹介しよう。
生徒会書記で学級委員長。家はお金持ちで文武両道に秀でた二枚目で性格も良いという、こち亀の中川さんみたいな陸奥君だ。
『ああ……おはよ浜谷……グスッ……』
その目には、さっき見たものと同じ光がキラリ……しかし、男の涙は美しくない……
それじゃあ。
『い、稲本?』
野球部のエース候補、いつも笑顔で怒ったところを見た事がない、明るく礼儀正しいスポーツ少年……
『…………』
てんてんてんって、こらこら何なんださっきから。
せっかく主人公が好意的に紹介してやってるのに、どいつもこいつも。
ここはアレだろ?
一度は紹介した通りのキャラで登場しておいてだよ。
それが次に出た時に豹変して、何があったんだ?って思わせなきゃダメなんじゃないか?
そうじゃないのかい?
最笑にしてもさあ、ヒロインがいきなり泣いてるのは珍しくないけど。
あいつの場合は最初はいつもどおりの底抜けに明るいキャラで登場した方がいいじゃないか。
それが泣き出すから、読者の皆様の興味を惹くんじゃないのかね?
どれだけ主人公に説明の空振りをさせるんだよって。
あ、先生が来た。
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