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「じゃあ、そろそろ俺は行く、俺は俺でいろいろとやることがあるからさ。そんじゃな、鬼さん悪行頑張って」
月山は陽が忘れていた事を思い出させてから帰って行った。
「………はぁ」
急に静かになってしまった事に淋しさを感じる陽。
一人で学校の廊下に立っている彼の姿はとても弱々しく見えた。
「よ…くん、…う…ん」
どこからか小さな音が聞こえてくる。陽はこの音は風に乗って遠くから聞こえてきているのかと思ったが、どうやら違うらしい。その音は陽のズボンのポケットから聞こえていた。
陽のポケットの中から声がする。
「陽君、聞こえますか?水野です、陽くん?」
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