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「……まぁまぁ集まったか?」
周りを見回した後、黄鬼が月山に聞く。
「五十匹から六十匹ってとこですかね?」
月山がポケットから栞を取り出しながら答えた。
「なかなかの数だな、少し時間がかかるか?」
腕をまくる黄鬼。
「十分ぐらいですか?」
栞を日本刀に変え、構える月山。
「いんや」
黄鬼はゴキゴキと拳を鳴らし、気合いを入れながら月山の問いに答える。
「五分だ」
月山は黄鬼から物凄い覇気を感じた。
黄鬼と月山のいる交差点にはもうすでに月の光りはさしていなかった。いや、それどころか光自体が無くなっていた。
真っ暗なその交差点は黒い物にドーム状に囲まれていたのだ。
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