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獅子山が火の玉を耳にあてる。
「はい、もしも~し?」
気楽な声で、応答する黄鬼。
そんな気楽な応答に対して、返って来た返答はとても切羽詰まっていた。
「コウ、今どこにいる?」
若い男の声。
「ん?誰だ……あぁ、なんだ水野か」
電話は今さっきまで病院で陽と一緒にいた水野からだった。
「なんだよいきなり、今どこって……そりゃ駅前の交差点だ、今日ここで、大掃除やったから……え?」
水野は火の玉ごしにこう怒鳴っていた。
「今すぐ、そこを、離れろ!」
真夜中の駅前、月山達がいる交差点より300m程離れたビルの屋上、そこには白くうごめく物が存在していた。
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