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「何を驚いてんだ?あぁ、そうか、お前の姿をしているのは俺がお前の姿を借りてるだけだ、あまり気にするな」
「借りてるだけ?」
気にするな等と言われても、それは無理だというものだろう。
陽は大いに目の前にいる男のことを気にし、『借りている』という言葉の意味を考えた。
だが、やはりよく解らない。
「……そんなことより、お前に言っておきたい事がある」
「な、なんだよ?」
陽は男の放つ迫力に少し怖じけづいてしまっていた。
顔は同じなはずのに、なにか纏っているオーラのような物があるのだろうか男の放つ気配からは何処か威厳のような物さえ感じられた。
「お前の友達の……え~と月山だっけ?あいつ、このままだと死ぬぞ」
「は?」
駅前の交差点には今、白い人が三人立っていた。
「あはっ、今日はご馳走だ!」
そして無邪気な声を出して笑うこの白い人達の目の前には、月山達が立っていた。
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