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「コウ、説明は後だ。さっさと片付けてここを離れるぞ」
「……わかった、俺から行こう」
そう言い終わると黄色く輝く大剣を出現させ、地面を蹴り、数mの距離をいっきに詰め標的に切り掛かる黄鬼。
「ダァアアッ」
黒の体ならば触れた瞬間に砂に変えることができていた黄鬼の大剣。
だが、その大剣は白の腕によって受け止められた。
「へぇ~結構強いね」
黄鬼の大剣を品定めするように見ながら白が言う。
「ハッ、そりゃどうもっ!」
そんな事に驚きもせず、黄鬼は大剣を両手から右手に持ち替え空いた左手に全く同じ大剣を出現させ、白に切り掛かった。
「うわわっ」
その一瞬の出来事に驚いた白は、掴んでいた大剣を離し、数歩後ろに下がる。
黄鬼の大剣は空を切り、コンクリートの地面を砕く。
「……やっぱり固ぇな」
両手に大剣を持つ黄鬼、コンクリートに刺さった左手の大剣はなんともなかった。
だが、白に受け止められた右手の大剣の刃は見るも無惨に砕け、欠けていた。
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