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「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
言葉も何の音もない部屋に嫌な沈黙だけが流れ、さらに気まずくさせます。
どれくらい時間がたったのでしょうか。氷枕を持っている手がかじかむように冷たくなりました。
「あ、これ・・・。」
ジュンスに氷枕を渡し、ドアに向かいました。
「あのさ・・・。その・・・。あぁ・・・。」
立ち止まり振り返りました。
「さっきは・・・。その・・・。ごめん。」
頭をがっくりと下げ言うジュンス。
謝るジュンスに腹が立ちました。
「ご、ごめんだ?謝るくらいなら最初からするな!バカ!」
勢い良くドアを閉めながらジュンスの部屋から出ました。
悔しかったです。「ごめん」と謝るくらいなら、最初から何もしないで欲しかった。大事にしていた私の初キス・・・。その初キスの相手が後悔して私に謝る。
悔しいです・・・。
しばらくジュンスの部屋の前で立ち尽くしているとジェジュンが近づいて来ました。
「どうした?顔真っ赤にして。」
頭を傾け私の顔を覗くジェジュン。
視線を少し上げると目の前にはジェジュンの綺麗な顔がありました。
大きくて切れ長の綺麗な目に見とれました。
「きれいな、顔だね・・・。」
「でしょう?俺、イケメン!」
またジェジュンを調子に乗せてしまいました。
あきれた私はジェジュンをどかし、洗面台に向かいました。
蛇口をひねり、勢い良く水を出し洗面台いっぱいにためました。
そして水に顔を沈め、唇を手で強くこすりました。
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