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「ありえない・・・。ありえない・・・。」
もう一度一文字一文字を確認しながら読み直しました。
何度読み直しても変わらない。間違いありません。
記事の主人公は「私」でした。記事に貼られている写真や名前・・・。間違いなく私です。
「どうして?!」
新聞を両手で強く握ったまま立ち上がりました。
全身がひどく震えています。立ってられないくらい震えています。
私が死んだ・・・。2週間前に交通事故で死んだ・・・。
チャンミンの話を思い出しました。
-俺らのイベントの日に会場近くで交通事故があったんだって。若い女の子で、そのまま即死だってさ-
そっけなく受け答えをした話題の人がこの私。
急に大きなクラクションの音が頭中に響きました。鳴り止まないクラクションの音。
両耳を手で強くふさいでも聞こえます。
どんどん大きくなっていきます。
絶えられないほどの大きい音。
そして私は死んだ・・・。
一気に記憶が蘇って来ます・・・。
イベント当日―
さんざん待ったのに、スタッフに追い出され、しょんぼり肩を落としボーっと歩いています。
どこに向かっているのか私自身も分かっていない。
ただショックで下向いたまま歩いています。
会えると思って頑張って何時間も待っていたのに、会えないなんて・・・。
悔しさのあまり、涙がこぼれそうです。
―ファンファン!
大きいな音が右側から聞こえます。
気になり右側に目をやると大きなトラックが物凄いスピードで私に向かっていました。
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