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「なんでよ…なんでみんな女扱いするのさ…。」
空が茜色に染まった帰り道、鶫が肩を落とし言葉を漏らす。
先程の教師の対応が気に入らなかったようだ。
「だって僕は男だよ?なのにゴスロリ着させられたり、スカート履かされたり、あげくのはてには先生に女子用の制服を着ろとまで言われる…。どうしてみんなわかってくれないの?女装ブームなんてないでしょ?」
鶫はさらに肩を落として俯く。
鷹一はそんなネガティブテンションな鶫の頭を大きな手でワシャワシャと撫でる。
そして持ち前の笑顔でニカッとすると鶫と肩を組んだ。
「だってしょーがねーじゃん!鶫は女子顔負けの可愛さを持つ女の子だぜ?みんなそう思うに決まってんだろ?」
「ほらまた女扱いした…。」
鶫はぷくっと頬を膨らませる。
彼…彼女…?的には精一杯怒っている仕草らしいのだが、それのせいで逆に可愛らしさが出てしまっている。
鷹一は悪い悪いと口では言いつつも、鶫の男子とは思えない張りと艶の頬をつついて遊びだした。
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