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あれから1年たった桜花学園。 とある廊下で2人の生徒が歩いていた。 1人は普通よりも少し大きめで、ボサボサの髪に着崩した制服を着ている。 もう1人はキチッと制服を着ていて、いかにも優等生のようだったが、体が華奢で少しブカブカだった。 「なぁ鶫…」 大きい方が小さい方に話しかける。 「何?鷹一くん。」 小さい方が大きい方に聞き返す。 なるほど、どうやら大きい方は『鷹一(よういち)』といい、小さい方は『鶫(つぐみ)』と言うらしい。 「最近知ったんだがな…」 「うん。」 「…かたつむりって性別がないらしい…」 「ふ~ん。」 「まさにお前みたいだよな。」 「僕をあんなヌメヌメしたものと一緒にしないでよ!」 鶫は鷹一に怒鳴る。 といっても可愛らしいもので、全然迫力はない。 なので鷹一もヘラヘラ笑いながら頭を下げる。 「悪い悪い。鶫は女の子だったよな。」 「それもちがーう!!」 廊下に可愛らしい大きな声が響いた。
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