第2話・魔王恥ずかしがる

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「よし、じゃあ行こうか」  少年がメイの手を取り、それに応える様にメイは笑顔を浮かべ、取られた手で優しく握り返す。  その光景を、村の少女達は羨望を以て見ていた―― ――少年の家は、メイにとって以外だったのか、驚きを禁じえずにいる。 「むぅ……『村人A』と言うのは以外と儲かるのかの?」  予想に反した大きな家、恐らくは村一番の家……そこが、少年の住む所。 「ああ、違う違う、間借りしてるだけだよ、山奥の村の『村人A』の収入じゃ、家なんて無理無理」 「その口振りから見るに、王国城下町の『町人A』なら、もっと収入があるというのかの?」 「ああ、俺の多分20倍位の収入があるんじゃないか?」 「にじ……!?」
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