第2話・魔王恥ずかしがる

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――現在。  婚礼の義も、いよいよ最高潮。  メイの眼前に村の娘衆が集い、今か今かとその時を待つ。  そう、娘衆が待ち焦がれるのはブーケトス。  皆の祝福の中で、メイが空へとブーケを放ると、娘衆が我先にと手を伸ばす。 「しかし……まるで餌に群がる魚のようじゃの」  アーチはその呟きを聞き、言い得て妙と思った事だろう―― ――結婚式の熱も、夜も更ければもはや無い。 「ん……む……」  あるのは、新たに夫婦となった二人の熱。 「アー……チ……」 「メイ……」  新婚初夜。  二人は気持ちも新たに、お互いの熱を貪り合う―― ――翌朝。 「む……はりきりすぎたかの……」  若干力の入らない腰を押さえて、ベッドから立ち上がる。
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