第2話・魔王恥ずかしがる

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「……そうか、もう陽が出ておるのか……」  傍らに居ない愛する者を思い、切なさに胸を締め付けられる。 「……等と浸っておっても仕方がないの、掃除に洗濯……と――」 ――昼。 「……よし、如何かの父殿」 「……美味い……美味いぞ……!」  メイは、長らく魔王をしていた所為もあってか、家事に関して光るものがあり、それに誇りを持っている。  魔王は、基本独り身であり、人間が魔王となった場合において必要不可欠な家事の知識が豊富と言われていたが、それを証明する一幕であろう。 「箸が止まらん……! ……アーチにやるのが勿体ない……」 「……味音痴じゃからの、あやつは……」  宝の持ち腐れである。
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