188人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
「さて、それでも食わさん訳にもいかんでの――」
――村の入り口。
藍色の軽鎧、同色の盾・脚甲を身に纏い、プラチナの羽飾りをあつらえたハーフヘルムを被った青年が、アーチに案内を受けていた。
「ありがとう」
青年に付き添う、闇色のマントを羽織った少女もアーチに会釈をし、村の奥へと消えていった。
「……あの子……」
「……浮気は許さんぞ?」
「うわっ!?
メイ……脅かすな……」
「冗談じゃ、あの娘……あの魔力、わしは知っとるぞ……
そう、魔王六代を討伐した大魔道師トリス・メギラオ……奴の魔力によう似とる」
「……やっぱり、お前を……?」
その問い掛けに、メイは肩をすくめて『さあの』と答えるに留めた――
最初のコメントを投稿しよう!