第3話・魔王楽しむ

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――青年と娘は、そのまま宿をとった。  そして夜……メイの、魔王の力が高まる時間。 「アーチ、皿を用意してくれんかの」 「あいよー」  料理を楽しんでいた。  その様を、窓から離れた位置で覗き見る先刻の娘。 「……魔王メイリカル……  よくもぬけぬけと……」 「……彼女が憎いか?」 「……ええ、憎いわ……憎しみで……闇落ちしてしまいそう……」  青年は溜息を吐き、娘の頭を撫でる。 「だが、彼女のおかげでお前は、彼の英雄『大魔道師トリス・メギラオ』の力と記憶を失わずに済んでいるんだぞ、スー」  スーと呼ばれた娘は、それでも憎しみの灯る瞳でメイを追っていた―― 「――どうしたメイ、身震いなんて……」 「うむ……何でも……」
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