第1話・魔王敗れる

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「ずっと……気になってた……」  漸く少年は声を出す。 「あんたが……世界征服を宣言したあの日から……」  覚束ない足で、フードを取られ、顔を隠したままの魔王に、再び近寄っていく。 「……空に浮かんだ『幻影』…… 僅かに見えた口元……」  再び、少年の手が魔王に迫る。 「確信した……あの時に…… ……あんたが……あんたが俺の……」  少年は魔王の手を掴み、顔を顕にする。 「……思った通りだ……」  顕にされた魔王の顔……それは、金色に輝く美しく、長い髪。  まだ幼さが見える、それでも整った顔立ち。  少し釣り目がちな、大きな眼。  瞳は澄んだ空を思い起こす青。 「……早い話一目惚れです。 ……その……あの……お、俺と――」
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