第1話・魔王敗れる

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――三年後。  都を一望出来る、山の中腹にある小さな村。  豪華とは言えないものの、それでも綺麗な飾り付けがされている。  それもそのはず、今日のこの日はとてもめでたい宴席が設けられているのだ。 「あれから二年……お前が彼女を連れ帰ってから早いものだな……」  しみじみと酒を飲みながらの台詞は、少年の父親。 「ふふ、村のみんな、驚いておったの」  少年に寄り添って少女は微笑む。 「ああ、そりゃ当然だろ? 何つっても、こんな可愛くて綺麗なんだから」 「いや、驚いたのはそこではないと思うのだがの――」 ――二年前。 「ただいま」 「……邪魔するの」 村の入り口で、二人がそれぞれ門番に挨拶をする。
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