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「ああ、お帰……誰だその娘」
「俺の嫁」
「まだ違うがの」
門番は固まってしまう……無理もないだろう、三十と余年、彼には恋人のこの字さえ無かったのだから。
まして、自分の半分も生きてない少年がふらりと旅に出て、女の子と一緒に戻ってきたら『俺の嫁』発言。
固まらない人間はきっと居ないだろう。
「ふむ、愉快な門兵よの、パントマイムとはの」
「パントマイムちげぇ」
固まった門番を後に、二人は村へと入る。
「どこから見て回る?」
「だの……おぬしの家が良いの」
「そこは最後のお楽しみ」
「むぅ……なれば……おぬしのおすすめからが良いの」
「おーけー、じゃあ皆に挨拶がてら行こうか」
「うむ、そうだの」
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