第1話・魔王敗れる

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「ああ、お帰……誰だその娘」 「俺の嫁」 「まだ違うがの」  門番は固まってしまう……無理もないだろう、三十と余年、彼には恋人のこの字さえ無かったのだから。  まして、自分の半分も生きてない少年がふらりと旅に出て、女の子と一緒に戻ってきたら『俺の嫁』発言。  固まらない人間はきっと居ないだろう。 「ふむ、愉快な門兵よの、パントマイムとはの」 「パントマイムちげぇ」  固まった門番を後に、二人は村へと入る。 「どこから見て回る?」 「だの……おぬしの家が良いの」 「そこは最後のお楽しみ」 「むぅ……なれば……おぬしのおすすめからが良いの」 「おーけー、じゃあ皆に挨拶がてら行こうか」 「うむ、そうだの」
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