第1話・魔王敗れる

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 村の広場では若い衆が和気あいあいと、何かを作っていた。 「のぅ、あれは何をしとるのかの?」 「ん?  ああ、今の時期なら山鎮祭の準備だな」 「さんちんさい?」 「ま、簡単に言えば『山火の神』の安寧を願うって祭りだな」 「ふむ……『山火の神』と言えば『ヴォルカヌス』か、あやつは落ち着いたじじいじゃからの。  しかし……こんなとこで聞く名前ではないと思っとたんだがの」  少年は、改めて彼女が人ではない事を思い知る。 「何かわしの顔についとるかの?」 「あ、いや……可愛い横顔だなーと」 「な……」  少女は、思わぬ少年の口撃に、顔を真っ赤にしてしまう。 「お……おぬしこそ……」 「あーっ! 兄ちゃんだーっ!」
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