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声のした方を見れば、作業を放って駆けてくる子供。
「お、でかくなったな」
「誰かの?」
「ああ、村長の孫」
「兄ちゃん、この姉ちゃんは?」
「む?
わしは……!?」
言葉につまった少女の視線の先を追えば、其処には村の女性達が炊き出しの支度をしていた。
「おっと……わしは、メイリカル・スヴィエリトー・アルハ・メフィス・ト・メフィスと言うのだが……
まぁ覚えられんだろうからメイで構わぬからの」
「うん!
メイ姉ちゃんだね」
メイはそう呼ばれ、どこかむず痒そうにしながら、笑みをこぼす。
「トーチ、いつまでさぼる気?」
「ねーちゃん、兄ちゃん帰ってきた!」
落ち着いた物腰の女性……トーチの姉が近づくと、メイは何故か驚嘆を漏らす。
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