第1話・魔王敗れる

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 声のした方を見れば、作業を放って駆けてくる子供。 「お、でかくなったな」 「誰かの?」 「ああ、村長の孫」 「兄ちゃん、この姉ちゃんは?」 「む?  わしは……!?」  言葉につまった少女の視線の先を追えば、其処には村の女性達が炊き出しの支度をしていた。 「おっと……わしは、メイリカル・スヴィエリトー・アルハ・メフィス・ト・メフィスと言うのだが……  まぁ覚えられんだろうからメイで構わぬからの」 「うん!  メイ姉ちゃんだね」  メイはそう呼ばれ、どこかむず痒そうにしながら、笑みをこぼす。 「トーチ、いつまでさぼる気?」 「ねーちゃん、兄ちゃん帰ってきた!」  落ち着いた物腰の女性……トーチの姉が近づくと、メイは何故か驚嘆を漏らす。
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