第3章

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  殺された。 奴のその言葉を聞いた時、全部を思いだした。 欠落していた自分の記憶。 一昨日。 まどろんでいた時に屋上に来たのはあの知り合いだった。 入口からは死角になっているところから、顔だけのぞかせ確認する。 また何か言われる… 関わるのが嫌だったので無視をして大の字になり寝た。 そしていきなり刺されたのだ。 私の喉元目掛けてフルーツナイフが突き刺さる。 私は声も上げる事も出来ずに苦しみ、事切れた。 その後知り合いは、私の血がベッタリついた服で職員室に向かい 警察に出頭したらしい。 私は自分が死んだ事に気付かずに二日も過ごしていたのか。 「改めて言わしてくれ。 そんな姿のお前でも、俺はお前が好きや。」 こいつはまだそんなこと言うのか。 「………まだ言うか。」 思わず声にだして言ってしまう。  
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