第1章

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ザワザワ。 今は昼休みだから校舎がうるさい。 そんな校舎から抜け出して、私は立ち入り禁止のはずの 鍵が壊れた屋上にきていた。 ここなら2月半ばの今でも太陽が一番よくあたり、服もすぐに乾くだろう。 乾かすものは私自身。 制服はビチャビチャ。 頭もグチャグチャ。 つまり全身ずぶ濡れだった。 「はぁ…」 思わずため息をはく。 唐突なイジメが始まったのは、1月に入ってからだった。 理由はクラス内の知り合いが私と同じ志望校に落ちたから。 たぶん…無理だ、と言われていた私と 今のまま行けば大丈夫だ、と言われていた知り合い。 しかし知り合いは馬鹿な奴等とつるんで、補導された。 それが影響して面接で外された。 完全な逆恨み。 「眠くなってきた」 それほど真面目なわけではないし、あと4日で卒業式なのでサボることにする。 あと少しで眠れる一歩手前。 屋上の扉が開く音を聞いた気がする。 先生なら注意されるだろう。 まっ人間睡魔には勝てないよね。  
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