第2章

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  ちらりとみて私は思い直した。 嫌な事の元凶がいないのは嬉しいことだ。 屋上へと続く階段の前へ立つと私は眉をひそめた。 【立入禁止】 事故現場などでよくみられるあの黄色のテープだ。 どうしてこのテープが屋上へと続く階段にかけられているのだろう。 仕方がないので別の入口から入る。 別校舎の屋上になったからか、こちらにはテープはかかっていなかった。 しばらくグラウンドを見下ろしていると いきなり声が聞こえてきた。 「えっ………。なんっ!!」 こいつは誰だ。 私の頭に一番最初に浮かんだのはそういった少し失礼な疑問だった。 「なんで…お前…おるん…」 学生が学校に来るのは当たり前じゃないか。 嫌な奴。お前は今日から"奴"と呼ぼう。 「てか…なんで俺見えとるん…??」 やっぱり嫌な奴だ。 「………そんなの知らん」 ムカついたのでぶっきらぼうに答える。 奴はまだ 自分の目が信じられない といった顔をしていた。 「だってお前、昨日死んだやないか!!」  
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