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「あれーどうしたんですか? 萩原先生浮かない顔して」
「いやあ……その、まぁ色々と……」
職員室のデスクでケータイの液晶と睨めっこ中の俺に、隣のデスクに座る暑苦しい教師がニタついた表情で声を掛ける。
「彼女ですか?」
「え?」
「いやぁ、萩原先生はモテるからなぁ~」
「いやいや、そんな事は……」
まぁ、アンタよかモテるでしょうけれど。
「羨ましい限りですよ。いや、でも私もね……最近ちょっと若い子とね……」
「あ、すいません。そろそろ移動しないと……」
愛想笑いを振り撒き、席を立つ。
脂性の性生活など聞きたくはない。
俺が立ち上がると、脂性のキモヲタはターゲットを変え、三組の美人女教師の元へ飛んでいった。
「イタイのイタイの飛んでけ~」
職員室を後にして、時計を見る。
休み時間は残り十分。
次は一年三組の授業だから……。
煙草吸う時間は……無い。
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