潜入捜査

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「……何やってんだ? 俺……」 女子を巻いた俺の足は自然と美術資料室に向かっていた。 「ヤニ……ヤニが無いと生きてゆけん」 いつもの要領で植木鉢をどかし、鍵を開ける。 …………あ。 「……なんだよ、先客かよ」 「相変わらず個人的斡旋してるんですね。資料室。……あの頃と同じ匂いがしてちょっと嬉しくなりました」 「資料まとめるんじゃなかったの?」 みくは手元の資料を指差す。 「実習生用の教室はなんだか息苦しくって……」 「お前そーゆうとこ、相変わらずなのな?」 「浮気調査っていうのもありますけどね」 「何それ?」 「私みたいな生徒が他にもいるんじゃないかなーって」 「あほか。誰も来ないから安心しな」 ”どうだか”といった感じでみくは首を傾げる。  
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