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「あー……疲れた」
無意識にそんな言葉が口から出ていた事に気付き、ゾッとした。
職員玄関でひとり、靴を履き替えながら、大きく息を吐き出す。
……それにしても、彼女が一緒に働くというのはこんなに神経を使うものなのか。
たった一日でこんなに疲労困憊じゃ、二週間身が持たん。
ズルズルと重い身体を引きずって駐輪場へと向かう。
“早く帰って風呂入って寝よ”
というフレーズが脳内で呪文のようにリピート再生されている。
ヨロヨロと自転車を漕ぎ出した、その時だった。
「先生!」
俺を呼び止める声。
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