何やってんだ、俺

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『先生、私のこと守ってくれるって言ったよね』 その一言でこれは夢なんだと気づいた。 目の前の制服を着た少女は短いスカートから伸びた脚を交差させ、伏し目がちに呟く。 『いっちゃん……』 夢の中なのに、理性が飛んでいく感覚を覚える。 次の瞬間には、少女は俺の腕の中にすっぽりと収まっていた。 『先生が好き。大好き』 か細い手首を握り、そのまま机の上に押し倒す。その瞬間に顔に掛かった髪の毛をそっと指で避ける。 大きな目をくすぐったそうに細める姿が飼い慣らされた猫を連想させた。 スーツの袖を掴まれると、また意識が飛んでいく。 現実じゃない。 わかっているのに、自制が出来なかった。 夢だから許される。 そういう意識が潜在的にあったとしたら……。 少女の唇を奪い、するするとシャツのボタンを外した。 派手な柄の下着と真っ白で柔らかな胸が飛び込んでくる。 『……だめだよ』 『だめって顔してないけど?』 俺の言葉に少女は瞳を伏せたまま、クスリと微笑む。 そこから夢は酷く断片的になる。 上下セットの下着。 噛みつきたくなる太股。 泣いているような少女の顔。 そして 少女の名前を何度も何度も叫ぶ俺。
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