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「ん…うっ…は…」
動く度、身体を揺すらされる度に兄の口から漏れる嗚咽が聞えた。
兄の顔を見上げる。
頬を赤く染め眼を瞑り、苦悶の表情を刻んでいた。桜の見た事のなかった兄の色気があった。
自分が兄にそういったはしたない表情をさせているのかと思うと、堪らなくなった。
そして、少しでも兄の苦痛を和らげられる様な慰めに自分の身体がなっているのなら、桜には嬉しかった。
肌蹴たブラウスから覗く白い地肌は汗ばみ、痛々しいほどに傷付いていたが、程よく付いた筋肉が見えた。
汗の雫が動くたびに辺りに零れ落ちる。月の光に照らされて粒さに輝いていて、とても綺麗だと思った。
ふと、菊が眼を開ける。互いの視線が絡まった。
「うっ、ん、うっ…あっ…」
最奥を小突く度に、妹は甘い馨を零した。
菊が見下ろした桜は頬を赤く上気させて悩ましげに眉根を寄せ、半開きにした瞳は涙を零しながら虚ろいでいて、自分を見上げていた。
ただ一つ違うのは桜の瞳の色が赤くなっていた事だった。煌々と輝いているようにもみえた。
菊はまるで柘榴石のようで綺麗だと思った。
肌蹴た着物から覗く素肌は汗ばんでいて白磁のように白く滑らかで、所々に菊が付けた赤い痕が点々と存在していた。
動くたび、その膨らみかけている豊かな乳房が揺れる。
赤い瞳がまぐ合う。
菊は今、最愛の妹を独り占めに出来ている事に、至福の喜びを感じた。
妹の表情が劣情を煽り立てる。
それを感じた菊は堪えられずに、動きを激しいものにした。
桜の中を、奥の方へと激しく抉る。
「ああ、にいさま…あ…」
開いた口の端からは涎が垂れ、兄の名を呼びつつも、うわ事のような声しか出さない。
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