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「ご、ご主人様!!手を…ぬいてくださいっ」
香奈は翔助の手を抑えながら必死に抵抗する。
「うるせえ。お前につべこべ言う権利なんてないんだよ」
そう言って翔助は目的の場所へと手を進めた。
「ふへへ…」
翔助が勝ち誇ったように変な笑い声をあげる。
だが、翔助の思惑通りにいく寸前にドアがノックされた。
「入れ」
翔助は香奈と危ない状況なのにも関わらず、ノックした人間を部屋の中へと入れた。
「失礼します。…!?」
部屋の中へ入ってきたのは美人のメイド。
この状況に驚いているようだった。
「あ、あの…お取り込み中でしたか?」
そのメイドは、翔助と香奈の方をあまり見ないようにそう言った。
「見ての通りお取り込み中だよ。で、なんだよ。もしかして交ぜてほしいのか?」
「い、いえ。そ、そういうわけではないです」
「た、助けてください~」
どさくさにまぎれて助けを求める香奈。
だが、華麗に無視される。
「で、何か用か?」
「は、はい。あの、朝食のご用意ができましたので…」
「朝食?そっか…まだ俺食ってなかったっけ。じゃあ一時中断するか」
そう言って手を引っ込める翔助。
「朝食終わったら続きな。ちゃんと言うこと聞けよ。俺の命令は絶対なんだからな。だよな?」
翔助はメイドに同意を求めた。
「そうですね…メイドはご主人様の言うことは絶対ですから。特に専属メイドは」
そのメイドは頷きながらそう言った。
香奈は益々不利になった。
一時中断されて少し安心したものの、香奈の不安は消えなかった。
このままじゃヤバい。
そんなことを思い、何か対策はないか考えながら、香奈は翔助と一緒に朝食のある場所へ向かった。
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