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冬が来て、春の始め。
受験も終わり、卒業式を明日に控えた夜、一本の電話が入った。
―彼女が家を出たまま帰ってこない―
電話を受けた親からその言葉を聞いて、俺は外へ駆け出していた。
まだ肌寒い空気の中、想いを巡らせていた。
調子のいい話だよな。
何もしてあげられなかったのに、まだ好きだなんて思っている。
今、彼女を見つけられたら、まだ間に合いますか?
目的もなく流れる景色に彼女の姿を探した。
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